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思い込みが作り出す世界

心理学

「真っ白な画用紙に太陽を描いてください。」

と課題を出されたら、あなたはどの色のクレヨンを手にしますか。

大体の人は赤を手にすると思いますが、いかがでしょうか。

でも、場所が違えば、意識も違ってきます。

私がドイツに滞在中、グルントシューレを見学した際、多くの子どもたちは、黄色やオレンジで太陽を塗っていました。

私たちには、

太陽は赤

という思い込みが潜在的にあるということを示しています。

 

児童文学作家の新見南吉が書いた

「ごんぎつね」

のお話は小学校の文学教材として有名です。

いたずら狐のごんは、兵十がおっかあのために捕って集めていたびくをひっくり返して逃がしてしまいました。

しばらくしたある日のこと、ごんは兵十の家で葬式が行われていたのを目にします。

「ははん。死んだのは兵十のおっかあだ。」

その晩、ごんは、穴の中で考えました。

「兵十のおっかあは、床についていて、うなぎが食べたいといったにちがいない。それで兵十がはりきりあみを持ち出したんだ。ところが、わしがいたずらをして、うなぎを逃がしてしまった。だから兵十は、おっかあにうなぎを食べさせることができなかった。そのままおっかあは、死んじゃったにちがいない。ああ、うなぎが食べたい、うなぎが食べたいと思いながら、死んだんだろう。ちょっ、あんないたずらをしなければよかった。」

それから、ごんの償いの行動が始まります。兵十の家へ、栗や魚を毎日持って置いて帰ったのです。

新見南吉 ごんぎつねより抜粋

この話にも、思い込みがよく描かれています。

ごんがおっかあが死んだのは自分のせいだと考えたこと。
兵十がごんが根っからの性悪ぎつねだと思い続けていたこと。

思い込みによって、相手を正しく理解できなくなることの悲しさ。

このお話からは、そんなテーマが浮かび上がってきます。

 

私たちの目に映し出されるものには、多くが思い込みが含まれています。

人の思い込みは、自分だけの心の世界に存在するもの。

それは、とりもなおさず、相手には相手の世界観があることを意味します。

自分と他人では、常にモノの見え方は異なっているということです。

 

自分と相手が同じであることを求めすぎてはいけません。

あなたが、自分と相手は違っていいと認めた瞬間、相手理解が始まっています。

 

そして、自分とは異なる相手を十分に理解した上で、自分の真心をそのまま行動に移していったら、きっとわかり合えると思うのです。


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