相対性理論から心の世界へ

20世紀最大の物理学者アルベルト・アインシュタインが特殊相対性理論に気づいたのは、若き20代の頃です。

少年期に微積分をすでにマスターしていたと言われていますので、おそらく天分もあったのでしょう。

特殊相対性理論

この理論は、単純に言えば「静止している人から見ると、光速で移動している人の時間が遅くなる」ということです。

ビデオを0.5倍速で再生すると、映像もゆっくりになり、音声はモワッとした感じになるでしょう。

あの感覚に似ています。

これを実際の生活の場面で用いているのが、誰もが知ってる民話、浦島太郎。

数週間過ごした竜宮城での暮らしは、地上に戻ると何百年も経過していたというこのお話。

竜宮城で過ごした時間を光速で過ごしていたと仮定すると、わかりやすいかと思います。

＊昔の民話の中にも、なんと特殊相対性理論が用いられていることを考えると、人類の知恵の深さに驚きを持ちますよね。

また、1960～70年代に世界的に大ヒットした映画「猿の惑星」シリーズは、このモチーフを元に製作されています。宇宙飛行士が限りなく光速に近い宇宙船に乗って何か月間か宇宙空間をさまよった後、ある惑星に降り立つと、そこは猿の惑星だったというストーリー。そして、最後に倒壊したニューヨークの自由の女神像を見てそれが地球だったと気付く。つまり、飛行士が宇宙空間にいた間、地球では何千年も時が過ぎていて、人類はすでに絶滅し、猿の惑星になっていたということです。

宇宙規模でものごとを見つめてみましょう。

地球は高速で自転し続けています。

我々にはそれを感じることができないのは、新幹線の車両内にいても速度を感じることがないのと同じで、地球も大気圏と共に回転しているからに他なりません。

つまり、我々は、普段意識することはありませんが、実際にはそのスピードで常に動き続けているとも言えるわけです。

そのスピードは、

40,000km÷24＝1,666

なんと、時速1,666km。

この速度、通常の大気中の音速である 時速1225 km（秒速340m）を超えています。

驚きの数値ではありませんか。

まずは、これを意識することから、ものの見方のチェンジが始まります。

巨視的な心につながる話　その１

上の事実から、地表で生活している人々は、例え座って本を読んでいようとも、寝ている状態であっても、宇宙的に観れば、高速で移動している状態である。

地球の回転エネルギーを常にもらって、生活しているということ。

どんなに悩んで、思考や行動が停滞しているように思える人でも、地球上で暮らす限りは、運動をし続けている。

つまり、静止しているように見えているのは、同じ速度で並走して見る自動車と同じで相手が止まっているように見えるだけ。

誰一人として静止している人はいないと言うのが真実です。

巨視的な心につながる話　その２

太陽の寿命は100億年。

現在が誕生から46億年と推定されているので、約50億年後には、巨星化し、大爆発を起こして地球は飲み込まれてしまうと言われています。

そもそもが、太陽エネルギーはコアの核融合によって起こされています。

核エネルギーと言うと、嫌悪感を持つ人が多いのですが、実際に我々はその恩恵で生きていられるのです。

その太陽は、決して人を差別しません。

あの人にもっと光を当てようとか、この人は嫌いだから光を遮ろうなんて意識が働くことはありません。

この事実は、人間関係のはざまで、様々な感情が揺れ動く我々の心がいかにちっぽけなものかを教えてくれます。

だから、私たちの心も、いつも太陽のように内側から湧き上がるエネルギーを感じつつ、輝きを放っていたいと思うのです。

巨視的な心につながる話　その３

赤色超巨星であるオリオン座のベテルギウスは、直径が太陽の750倍もあると観測されています。

地球からの距離は、640光年。

光速で640年かけて進む距離があります。

光の速度は、秒速300,000km。

今晩、あなたがその恒星が放つほのかなオレンジ色の光を見た瞬間、その光は、640年前に放たれた光だと意識してみてください。

その光が、640年かけて我々の目に届いた瞬間。

数値では表せない気の遠くなるような距離を進んできた光が地表に達した、まさにその一瞬。

それをあなたは見た。

室町時代、3代将軍足利義満が花の御所に移ったころ。

あなたは、その640年前に生まれた光を見たことになります。

そう考えてみてください。

今この一瞬が、なんと素晴らしいことかを感じさせてくれる事実です。

星を目にする・・・、当たり前に思っていたことが、本当はすごいことだと思えてきませんか。

地球、太陽、全宇宙・・・。

私たちは、巨大なエネルギーの中で、その恩恵を受けながら生活しています。