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うつは「心の風邪」は的を得ていないという話

カウンセリング

よく「うつは心の風邪」と言われます。

多くの人がかかるという視点においては、風邪をひくことに例えられたりするのですが、実際には風邪のように数日間で回復するようなものではありません。

かかる本人には、他の人がわからない辛さがあるのです。

これを、

気のせいだ
すぐに治るはずだ
怠け心が働いているんだ
もっとしっかりすればいい
そんなこともできないとは情けない

などと軽い気持ちで、周りの人が軽く捉えることで、症状はまずまず悪化していきます。

 

さて、うつ病に悩む本人にとって、最も辛いことは何だと思いますか。

 

それは、

行動できなくなる

ことです。

 

行動したくてもできない辛さが、さらに本人の心を苦しめます。

これまで当たり前のようにできていたことができなくなる辛さ。

好きだったことが好きだと思えなくなる惨めさ。

この感覚は、かかった人でないと分かり得ないものです。

 

実際の臨床例を挙げてみましょう。

例えば、

CL1(30代女性) 外資系の会社に勤めるキャリアウーマンとして意欲的に働いていたが、ある時うつを発症。全く仕事に取り組めなくなり止む無く退社。その後、自身で事業を起こすも、時々やってくるうつ症状に悩まされ、通院しながら、現在自宅で静養中。
CL2(30代男性) 若いころから引きこもり生活を続けていた。陽気な気分になると、時々街に出かけては、ナンパして女性と付き合いを繰り返す生活を送る。しかし、行動できるときとそうでないときの気分の差が激しく、現在は引きこもりの生活が続いている。
CL3(50代女性) 結婚後、2人の子どもを設けるが、子育てしながら家事に取り組む。しだいに無力感を感じるようになり、家事が手につかなくなる。子育ては、祖母に頼ることが多くなり、外出することもままならなくなる。すでに20年以上、起伏のあるうつ症状を繰り返し続けてきている。

 

この方たちは、すべて精神科に通い、投薬治療を続けていました。

うつ病は、脳内での神経伝達の機能異状によるものだということがわかっています。

そのため、脳機能に直接働く、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などの投薬が効果を発揮します。

最近では、眠気・だるさ・ 便秘・吐き気・口の渇き・めまい・頭痛などの副作用の少ない種類の薬も開発されています。

投薬による治療は、脳内にあるセロトニン・ノンアドレナリン・ドーパミンなどの神経伝達系物質をある程度補うという目的がありますので、ある程度の治療期間が必要だと考えましょう。

しかし、投薬を続けていれば、それだけで根本的に完治するかというとそうでもありません。

 

うつにかかる人の多くは、明るく活発で、様々なことに前向きな気持ちで取り組んできている人が多いと言われます。

しかし、一度うつが発症すると、

無力感に包まれる
やる気が起こらない
何をしても楽しくない
何にも興味がわかない
何事にもおっくうになる
自己肯定感が低下する
こんな状態になってしまいます。

思考や身体にも、

疲れているのに眠れない
一日中眠いような感じで過ごす
いつもよりかなり早く目覚める
イライラして落ち着かない
思考力が落ちる
死にたくなる

こんな症状が現れます。

 

実際に、自殺者の多くがうつにかかっていると言われます。

自殺・・・、それは苦しみから逃れるための最終手段。

交通事故で亡くなる人が年間で1万人以下になっている現在、その約3倍の数であることからも、ことの大きさが良くわかります。

世間のうつ病への理解が深まってきていることもあり、近年自殺者は減少傾向にありますが、自ら命を絶つほど自らの心を追い詰めてしまうのも、この疾患の怖いところです。

自殺者数の推移      厚生労働省年度別自殺統計より

「もしも、あなたは何もしなくていいんですよ。」

と寄り添ってあげられたら、命は救えたかもしれないと思うと、とても残念な気持ちになります。

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