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自己肯定と自己受容の違いについて考える

カウンセリング

自己肯定とは、自分を否定せずに肯定的に観ること。

自分を肯定するということは、どのカウンセラーも口をそろえて説明することで、一見聞こえはいいのですが、この自己肯定には落とし穴があります。

仮に、70点の自分を「おれは頑張ったから。」と言って、100点をつけてあげたら、それはあなたの水増し評価に過ぎません。

これは、過大評価ですから、自己肯定の現れだと理解できると思います。

反対に、70点のところを「まだまだ足りないから。」と30点をつければ、自分に下げ過ぎな評価を与えていることになります。

これは、自分はまだまだ未熟だ、まだ向上する余地があるからと努力しなければならないという心がそう言わせているのかもしれません。

でも、実は過小評価する心には、今の自分をそのままキープしようとするマインドが隠れています。

過小評価は、できなかったと感じた自分への言い訳です。

つまり、これまでの自分を保つために、できなかったという都合の良いポジションを選択しているに過ぎないということ。

言い訳は、自己防衛の最たる表れです。

自分はまだまだですというと周りからは聞こえはいいのですが、あくまでも自分を変えようとしない頑なな心や態度が透けて見えるのです。

潜在意識の中に強い決めごとをキープしている人。

自分を過小評価するときに、その正体がはっきりと姿を現します。

もしも、そのようなケースに遭遇したら、潜在意識の中に存在しているものに気づくチャンスです。

自分は30点と言っている本人が、本当に心からそう思っているかどうか考えてみれば、すぐにわかります。

「いいえ、わたしなんかまだまだです。」

「○○さんの足元にも及びません。」

なんて言っていても、本心では決してそう思ってはいないはずですから。

これらのことから、過大評価にも過小評価にも、強い自己肯定が存在していることがおわかりいただけるものと思います。

 

これに対して、70点の自分にありのままの自分を心から感じること。

これこそが、自己受容

そこには、他者の存在はありません。

他者を取り込まないから、比べることもありません。

(本来は自己採点さえしませんので、70点という概念が生まれてこないはずです。)

肯定も否定もありません。

存在するのは、自分の喜びだけ。

「今日は、気持ちよくできたなあ。」

「とことん楽しめたなあ。」

過大も過小もない、等身大の姿として自分を感じて受け入れること。

自己防衛する必要がないので、無防備ですが、疲れないし、自然体でいられ、心地がいい境涯です。

 

自己肯定感を高めるという理由で、クライエントをやたらに褒めるカウンセラーがいたらそれこそ要注意です

他人からの評価を取り込んでいる人は、褒めれば喜ばすことができます。

でも、それを続けている限り、評価を与え、受け取るという世界観から抜け出すことはできないのです。

つまり、本当の自信にはなり得ないのです。

 

自信は、本質的に褒められることで、つくものではありません。

自分と向き合い、本当の心に疑いを持たずにあるがままに受け入れることで生まれるマインド。

虚飾しようとしない自分になること。

それこそが本当の自信です。

 

自分を心から信頼できるようになったら、初めて自信がついたと言えます。

私がカウンセリング中に、クライエント様をむやみに褒めないのは、こういう理由に基づくものです。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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